
会長挨拶
ウィズコロナ社会における心理支援
新型コロナウイルス感染症でお亡くなりになった方々に哀悼の意を表するとともに、医療関係者やエッセンシャルワークに従事する皆様に心から敬意を表します。
新型コロナウイルス感染症は心理支援にも大きな影響を及ぼしています。当会では4、5月の緊急事態宣言下において、活動の一部を自粛しましたが、
宣言解除後は、感染予防対策をとりつつ、適切な方法を模索しながら可能な範囲で事業を進めています。
具体的には、東京都と世田谷区から受託している里親支援機関事業では、広い会場を用意し、会場が密にならないように配慮して交流会や映画上映会などを開催したほか、
オンラインによる講座も開催しています。福島県の県外避難者支援事業では利用者の皆様に感染のご心配を掛けないよう慎重に進めています。
また、こども相談室事業では、数日の休止を余儀なくされましたが、転送電話システムを導入して、相談員の感染防止を図りながら、自粛生活によってニーズが高まった子育てに関するさまざまな相談に応じています。
各種研修事業では、ウィズコロナ社会における新たなニーズや安全に配慮した支援方法等について先駆的な実践を共有して、会員の支援力を高めていきたいと考えています。
こうした研修は参加者の感染予防に配慮してオンラインで開催しています。
心理支援はプライバシーが守られる空間で、対面で会話し、活動をともにすることを何よりもたいせつにしています。オンラインを強いられることによる活動の制約は最小限にとどめたいと思います。
そのうえでオンライン化による利点にも着目して、この難局を乗り越えたいと考えています。
当会は、2019年2月に東京臨床心理士会から東京公認心理師協会に名称を改め、公認心理師と臨床心理士を会員とする職能団体となりました。公認心理師制度の施行に臨み、 これまで東京臨床心理士会として積み重ねてきた経験を生かし、受託事業や関係諸団体等との連携協働を新制度においても切れ目なく継続し、心理支援の普及を図る決意です。 ウィズコロナ社会においても公認心理師と臨床心理士が力を合わせて、東京に暮らす人のこころの健康をサポートしてまいります。